和歌山県病薬について

事業計画

平成27年度事業計画

医療制度改革が様々な形で推し進められる中、病院薬剤師業務もこの改革の中で様々な進展をとげています。平成19年4月から施行された改正医療法により全ての医療機関に「医薬品安全管理責任者」の配置が義務づけられました。同年9月には日本病院薬剤師会がまとめた「病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会報告書」で、病院薬剤師のあるべき業務と役割が14項目にわたり示され、人員配置のあり方についても検討されました。平成20年21年は病院の医師不足の背景とチーム医療の構築からスキルミックスの流れに対応する柔軟な姿勢が求められました。

 平成22年3月には、厚労省医政局がまとめた「チーム医療の推進に関する検討会報告書」を踏まえて、平成22年4月30日付の厚労省医政局通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」が発出された。その中で「多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提とし、目的と情報を共有し、業務を分担するとともに、互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供するチーム医療」が強く求められている。薬剤師が積極に医療スタッフと十分なコミュニケーションとりチーム医療に参画して、主体的に薬物療法に参加することが医療安全の確保の観点から非常に有益であるとされ、処方提案、患者に対する薬学的管理、副作用のモニタリング等に関与が望まれています。

平成24年度の診療報酬改定では「病棟薬剤業務実施加算」が新設されました。これは施設基準として、薬剤師が全病棟において医療従事者の負担軽減および薬物療法の質の向上に資する薬剤関連業務を実施するにあたって十分な時間を確保できる体制を有していること(専任薬剤師を置き病棟薬剤業務の実施時間は1病棟1週間当たり20時間相当以上)。病棟ごとに専任の薬剤師を配置している。医薬品情報管理室を有し、常勤薬剤師を1人以上配置して、自院の医薬品使用状況等の情報を収集、評価、一元管理して医療従事者に周知することが規定されている。薬の専門家として、頼られる薬剤師にならなければなりません。また、これらは病院薬剤師の増員にもつながると考えています。

2012年4月からは、薬学教育6年制を卒業した薬剤師が各病院に多く採用されました。自分達の将来を担う薬剤師を育てるためにも充実した教育が行われなくてはなりません。本県には薬科大学および薬学部がなく薬学教育を身近に感じたり接したりする機会が少ないと思いますが、病院・薬局実務実習近畿地区調整機構とモデルコアカリキュラムに準じた実務実習が行われるよう受け入れ施設の標準化に努めたいと思います。

日本病院薬剤師会は「一般社団法人 日本病院薬剤師会」として新たな出発をしました。そして、病院・診療所の薬剤師数の倍増、全病棟に薬剤師を配置することを目指し、日本病院薬剤師会の組織強化作りと、病院薬剤師としての職能の拡大・充実を行う姿勢を示しました。病院薬剤師にとして、日本病院薬剤師会の考え方を理解し和歌山県病院薬剤師会の運営に生かしたいと考えます。

病院薬剤師職能を県民の皆様、関係機関、他職種の医療従事者により一層理解されるよう努めるとともに、会員の資質向上と医療における倫理観の養成に向け取り組む所存です。以上のことを念頭に日本病院薬剤師会、日病薬近畿ブロックと連携し、「薬の専門家」と評価され、「薬について責任が取れる薬剤師」そして「新時代の新薬剤師の」をめざして様々な事柄に全力で取り組んでまいります。

本年度は次の10項目を重点項目として活動致します。

1)入院患者に対する病棟薬剤業務実施加算と薬剤管理指導業務の完全実施のための環境整備

2)診療報酬点数表に掲げられている病院薬剤師業務への取り組み、特に病棟薬剤業務実施加算とチーム医療関連の充実

3)病院薬剤師人員配置基準は、現状の業務を行う上で最低基準であるとの理解を得て、個々の施設の業務に応じ、十分な薬剤師数を確保することへの理解

4)医薬品の安全対策の推進

5)新人薬剤師の研修の充実

6)長期実務実習の実施体制の確立

7)日病薬と連携した認定薬剤師、専門薬剤師の育成

8)和歌山県病院薬剤師会学術大会・情報提供(医療安全)に関する研修会・若手スキルアップ研修会の企画と内容の充実

9)県民にお薬の理解と病院薬剤師業務の理解を得るための啓蒙事業の実施

10)今後災害発生時に適切な対応できる医療支援体制について検討及び構築する

さらに関係諸団体との協力と連携を強化し、和歌山県並びに県薬剤師会が推進する医薬分業の展開について、より一層の取組みを行うこととします。

ここに挙げた重点項目を中心に、下記に示すとおりの事業計画について、委員会を中心に推進し、会員の皆様の協力のもと、医療を取りまく環境の変化に対応しながら病院薬剤師職能の確立を目指して本会を運営いたします。

1.医薬品の安全対策の推進

(1)「医薬品の安全使用のための業務手順書」による医薬品安全使用の充実

(2)医薬品安全管理責任者の役割の研修

(3)薬剤師への薬事関係法に関する教育

2.薬剤師養成のための薬学教育への協力

(1)薬学教育協議会病院薬局実務実習近畿地区調整機構委員会との連携強化

(2)実務実習指導者の育成

(3)長期実務実習の実施体制の確立

3.認定薬剤師、専門薬剤師の育成

(1)日病薬と連携した認定薬剤師、専門薬剤師の育成

(2)認定薬剤師・専門薬剤師養成のための研修会の企画の検討

(3)他学会による認定薬剤師、専門薬剤師の育成

4.組織の強化

(1)「病院における薬剤師の人員配置に関する検討会」の報告書の理解を得ること

(2)会員資格の検討

(3)会員増加への対策

(4)支部活動の活性化

(5)中小病院・診療所薬剤師の連携の強化

(6)療養型病院薬剤師の活動と連携の強化

(7)精神科病院薬剤師の活動と連携の強化

(8)事務局の強化と充実

(9)会則・細則の見直し

(10)電子メディアによる会員相互のネットワークの構築

5.会員への情報伝達の強化

(1)ホームページによる迅速な情報伝達

(2)施設ごとへの伝達

6.薬剤業務の改善と充実

(1)入院患者に対する薬剤管理指導業務の完全実施の推進

(2)病棟薬剤業務実施加算とチーム医療関連の推進

(3)注射剤調剤(特に癌化学療法)の実践と普及

(4)医療事故防止対策における薬剤師の取り組みとその参画

(5)プレアボイド報告制度の普及

(6)後発医薬品使用のための評価

(7)診療報酬に係わる薬局業務の見直しと検討

(8)院外処方箋発行に伴う諸問題の検討

(9)在宅医療における病院薬剤師の取り組み

(10)病院薬剤業務の実態調査に対する取り組みの調査研究 

(11)医療制度改革と病院薬剤師業務の課題との調整

7.学術研修活動の充実

(1)和歌山県病院薬剤師会学術大会の実施と内容の充実

(2)第23回医療安全管理に関する研修会の実施と内容の充実

(3)第8回若手スキルアップ研修会の実施と内容の充実

(4)学術講演会の実施

(5)中小病院・診療所薬剤師を対象とした研修会(中小病診研修会)の実施

(6)精神科病院薬剤師を対象とした研修会(精神科病院研修会)の実施

(7)支部研修会の実施

(8)県病院薬剤師会・県薬剤師会との合同研修会の実施

(9)各種団体が主催する学会、研修会、学術講演会等に対する参加と協力

(10)専門・認定薬剤師の単位習得のための支援

8.生涯研修の充実・強化

(1)病院・診療所薬剤師倫理の高揚

(2)研修会、学術講演会等の企画の充実と研修体制の確立

(3)日本病院薬剤師会生涯研修認定制度による研修会の認定

(4)日本薬剤師研修センターの生涯研修制度による研修会の認定

9.広報活動の充実

(1)会誌24号発行

(2)会誌内容の充実

(3)病院薬局業務に関する資料の広報

10.日本病院薬剤師会の活動への協力

11.日本病院薬剤師会近畿ブロックにおける6府県病院薬剤師会との連携強化と近畿ブロック活動への協力

12.地域保険医療活動への貢献

(1)県民に薬の理解を得るための啓蒙事業の実施

   「お薬相談会」の実施

   「お薬の使い方」の講演会の実施

(2)和歌山県病院協会との連携

   和歌山県病院協会学術大会への参加

13.県薬剤師会が推進する医薬分業への取り組みに対する協力

(1)県薬剤師会の支部と連携した研修会の開催

(2)後発医薬品使用促進についての協議等

14.関係機関との連携

(1)関係官庁との連絡強化

(2)県薬剤師会との連携強化

(3)医療関係団体との連携強化

15.和歌山県病院薬剤師会の法人化に向け調査及び検討を行う

 

更新日:2015年09月17日