不眠症に対しては主としてベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤による治療が多く用いられています。これらの睡眠導入剤の多くは、服用15~20分後には効果が現れます。最高血中濃度には約1~2時間で達し、大脳辺縁系の海馬を中心とする情動中枢に作用することにより、興奮を鎮めて睡眠導入効果をもたらす特徴を有します。
また、睡眠導入剤を用いる際には、その効果の持続時間によって使い分けがされます。睡眠導入剤は下の表に分類されます。
作用型 | 特徴・作用時間 |
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超短時間型 | 残薬感が少ない。日中の眠気、ふらつきが少ない。 高齢者にも使いやすい。作用時間2~4時間 |
短時間型 | 高齢者にも使いやすい。作用時間6~10時間 |
中時間型 | 作用時間20~30時間 |
長時間型 | 長期間に渡って用いられる。作用時間50時間以上 |
睡眠導入剤を用いる際には服用者の症状や年齢,不眠症の種類(入眠障害,熟眠障害,早期覚醒)を考慮することが大切です。
下記に主な注意点を挙げていきます。